フリーレントに係る税務の取扱いについて
こんにちは税理士の野口博本です。
今年もいよいよ確定申告の時期が迫ってきましたね。個人の不動産オーナーさんの確定申告では、最近「フリーレント」が流行っているようですね。空室募集や管理をお願いしている不動産屋さんにもよっては、「もれなく(?)」フリーレントを設定していることも、見受けられます。
最近では、賃貸物件が供給過剰気味であることから空室を埋めるにもこういった対処が求められているという事情もあるのかと思います。
さて、不動産オーナーさんにとって、フリーレントの期間の収益計上の考え方は、主に2通りあります。
1.実際に賃料を受領した期間から収益計上する方法
これはフリーレントの間は値引き・賃料免除と考える方法です。賃貸借契約書に、その旨明記が必要と思われますので確認してみてください。
(例)
賃貸借期間 平成26年12月1日~平成28年11月30日
賃料は平成27年3月1日より
特約事項として、違約金の規定があるのが一般的と思います。共益費は賃貸借期間の初日から生じるものが多い印象です。
2.賃料総額をフリーレント期間を含めた賃貸借期間全体で期間按分して収益計上する方法
先日まではこちらの方法が、書誌で主に紹介されていました。フリーレント期間にも収益が発生して、しかも、毎月の収入と収益の額に差額が生じます。けっこう煩雑な処理になります。
今後は1の方法が一般的になってくると思います。お金の動きにより近い処理もできるようになりましたので、私たちとしても歓迎すべきことと思います。
参考文献 税務通信№3338 平成26年12月1日 2頁